愛の深度計
「愛というのはなあ、愛の細胞みたいなものが脳に出来上がってるのではなく、新新皮質を中心に、愛しい人の脳内ネットワ−クが出来上がり、
そして新新皮質にビンビン刺激を与え、
それにより快感を呼ぶド−パミンがガンガン分泌されている、
そんな活性化した事態が … 愛なんだよ」
「ホォー … 愛はビンビンで、そしてガンガンなんですか?
高見沢さんのこんな迫力、今まで業務上では見たことナイッスよね」
榊原がチャチャを入れて来た。
「アホか、俺は今、真剣な話しをしてるんだよ!」
「シュンマシェン、続けて下さい」と榊原が素直に謝る。
「恋は盲目って言うだろ、
あれは愛の情報網、つまりがA10神経が太くなり過ぎてしまって、
その上にだぜ、そこでは好きな人の情報だけが優先されてしまって、他の情報は流れず、周りが見えなくなってしまった状態なんだよ」
榊原は「そんな事、わかってますよ」と口にしかけたが、「ちょっと失礼かな」と思い、ノーコメント。
しかし高見沢はますます調子に乗って止まらない。