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顔のない花嫁

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狭間ノ刻2

  
ふぅ……またダメだったか。
女は血を流して倒れるレイスの死体を見つめて自嘲気味に笑った。
しかしすぐに彼女は微笑む。
「でも大丈夫。今回がダメでもまた次がある」
たとえ可能性が1%しかなくても、何度も繰り返せばいずれはそれが100になるのだから―。
周囲で見つめる人々を無言で睨みつけながら女は病院を後にした。
そしてそのまま自宅に戻る。
彼女が自室の扉を開くと、そこには黒魔術に使われるであろう怪しい道具がたくさん置かれていた。
そんな道具たちの中に置かれている、アレンと自分の写真。
彼女はそれを見つめてふふっと笑った。
今でも鮮明に覚えているあの時の記憶。
幼い頃、自分をいじめっ子から守ってくれたアレン。
おそらくあの時、私はアレンに恋をした―。
そしてあの記憶、そしてアレンへの想いが自分の活動力の源となっている。
「彼との思い出が私の命―。そして彼の存在が私の全て―」
女は机に歩み寄ると上に置かれている砂時計を手に取った。
「さぁ、もう一度“零”からやり直しましょう」
―今度こそ彼は私の物に―。






作品名:顔のない花嫁 作家名:逢坂愛発