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CROSS 第16話 『なぜ、CROSSは潰されないのか?』

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 それから、救助作戦が始まってから2時間ぐらい経って、少佐が
側近にいっしょに基地に帰ってきたという。そのとき、少佐は負傷
していたらしく、彼が座っていたオートバイのサイドカーのイスは
血だらけだったらしい。犬走椛氏が少佐にインタビューをしようと
したが、それどころではなかったという。
 少佐が搬送されていったころ、我が国の異次元航空母艦『白鯨』
が、その世界に到着し、白玉楼の魂魄妖夢氏が基地にやってきた。
今回の公聴会で「招かれる」ことになっている少佐に用があったの
だ。
 突然の招かれざる客に、CROSSは騒然となり、少佐と魂魄妖
夢氏がいる部屋の前に、武器を構えた隊員たちが集結したらしい。
こんなところで、幻日戦争が勃発するのかと、犬走椛氏は少し焦っ
たらしい。幸い、少佐自身が人払いをしたので、ひとまずその危機
は去った。
 ただ、少佐と魂魄妖夢氏の話し合いは、少なくとも友好的なもの
ではなかったようで、チラリと見た限りでは、少佐は不機嫌な様子
で、魂魄妖夢氏は納得した様子だったという。
 しかし、犬走椛氏がトイレ(ひどいものだったという)に行って
いる間に、少佐と魂魄妖夢氏は基地から姿を消してしまったらしい。
彼らは、夜間偵察の飛行機に乗っていってしまったのだ。(第10
話)



 犬走椛氏が、少佐と魂魄妖夢氏を探し回っていたところ、少佐の
側近たちが慌ただしく走り回っているのを目撃する。彼らも少佐を
探していたのだ。それは司令部からの緊急通信を伝えるためでもあ
った。その緊急通信の内容とは、その『デモンズソウル』の世界か
らの撤退命令だった。それは、異次元間弾道ミサイルで攻撃するた
めだった。
 その緊急通信の内容を知ったとき、私は、紅魔館が帝国連邦軍に、
何か命令をしたなと思った。紅魔館が帝国連邦軍の陸軍に多額の寄
附をしているのは、御存知の通りである。昨夜、今回の公聴会が開
かれた途端、帝国連邦軍の飛行機の群れが、我が国の空にやってき
たのも、そのような事情と大いに関係がある。
 それはさておき、犬走椛氏は、さっそく撤退作業を進める兵士た
ちから情報収集を行なった。そして、気がつけば、夜が明けようと
していた。(第11話)



 朝には撤退作業が終わっていた。兵士たちは、こういうことには
慣れている様子だったという。
 飛行機に乗って撤退していく兵士たちを尻目に、犬走椛氏は残っ
ている少佐の側近から、情報を得ようとした。しかし、ノーコメン
トだと言われるだけで、情報は得られなかった。(第12話)