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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・録】ムカムカパラダイス

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「なにしてるんですか…まったく…」
乾闥婆が大きな溜息をついた
「何事かと思いましたよ」
じと目で乾闥婆が見た先には右足の甲に包帯を巻いた京助と腕に絆創膏を二箇所貼ってる緊那羅
「第一台所で騒ぐ自体が間違っているんじゃないですか?」
乾闥婆が血のついたティッシュやら何やらをまとめながら少し怒った口調で言った
「ごめんだっちゃ…」
緊那羅がしゅんとして謝った
「しばらくは走ったり飛んだりしないことです」
立ち上がった乾闥婆が京助を見下ろした
「あ~…」
京助が乾闥婆に向けて片手をヒラヒラさせた
「正装しないで飛び込んできたかと思うと説明もしないで手を引っ張って連れてこられてみれば…まったく…」
ゴミ箱にゴミを捨てながら乾闥婆がまた大きく溜息をついた
「僕だって暇なわけじゃないんですからいつもいるとは限らないんですよ?」
きつい口調で乾闥婆が言う
「…はい…」
緊那羅が俯いたまま言った
「…さんきゅな乾闥婆」
京助がお礼を言うと乾闥婆が小さく肩で息をしてそれから戸を開けた
「もう大丈夫ですよ悠助」
廊下で待っていた悠助に乾闥婆が声をかけると泣きすぎてしゃっくり地獄に陥った悠助が慧喜と鳥倶婆迦と共に部屋に入ってきた
「義兄様大丈夫?」
慧喜が京助に聞く
「まぁ大丈夫といえば大丈夫だな;」
京助が右足を上げて言った
「貴方が本来ならば京助を守る立場なんですよ?」
「まぁまぁ;」
乾闥婆が緊那羅に言うとそれを京助が宥める
「逆になってるじゃないですか」
乾闥婆の言葉に緊那羅が膝の上においていた握りこぶしをぎゅっと握った
「平穏を楽しむのも駄目とは言いません…が役目を忘れては困ります」
「…はい…」
淡々と発せられる乾闥婆の言葉に緊那羅が小さく返事を返す
「貴方の役目は見極め役と守護…わかっていますね?」
「…はい…」
乾闥婆の言葉に緊那羅がまた小さく返事をした
「その返事…信用しますからね」
乾闥婆が緊那羅の頭を軽く撫でて言うと緊那羅がコクリと頷いた
「では僕はコレで」
緊那羅の頭から手を離した乾闥婆がにっこり笑ってそして廊下に出た
「おーさんきゅなー」
廊下に向かって京助が言った