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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・録】ムカムカパラダイス

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「きゃぁあああああああああああああああああ!!!!」
黄色くそして可憐とは程遠い悲鳴が台所から正月町へ向けて発信された
「お約束だよね」
慧喜がその叫び声の主を見て言った
「何をなさってるんですの--------------!?」
緑の両葉を茶色の顔 (?)に添えて可憐な夏の妖精ヒマ子さんが声を上げた
「何って…見ての通りじゃないの?」
鳥倶婆迦が言う
「ばっ…;」
京助が鳥倶婆迦の言葉に反応した
「見ての通り…って…」
鳥倶婆迦の言葉にヒマ子が再び京助と緊那羅の方を見た
「…見ての…通り…」
京助に押し付けられたタオルで目を押えている緊那羅
ソレがどう彼女 (?)に映っているのかと一同黙ってヒマ子の次の言葉を待っていた
「まさか…」
ヒマ子が言葉を漏らすと一同息を呑んだ
「嬉し泣きですの------------------------------!?」
「はっ!?;」
ヒマ子が叫ぶと京助が変な声を出した
「嬉し泣き?;」
やっと目の痛みがひいたのか緊那羅がタオルから目を離して顔を上げた
「何で嬉し泣きなの?」
慧喜が率直にヒマ子に聞く
「最近どうもハルミママ様のお手伝いをしてらっしゃると思ってましたわ…そうなんですのね…やっとわかりましたわ…」
ヒマ子がゴトリと鉢を引きずった
「…何だっちゃ?」
目の前に来たヒマ子を緊那羅が見る
「花嫁修業…」
「へ?」
ボソッと聞き取れない声でヒマ子が言うと聞き取れなかった緊那羅が聞き返す
「花嫁修業だったのですわね…」
ユラ~リとまさにアノNHK忍者アニメの剣客教師と同じような身の動きでヒマ子が体をくねらせた
「花…嫁?;」
わけがわからない緊那羅が花嫁という言葉をリピートする
「…婿じゃないの?」
鳥倶婆迦が突っ込む
「お婿さん修行?」
悠助が慧喜を見上げて言う
「花婿修行になるよね」
慧喜が悠助を見返して言った
「…緊那羅って女だったの?」
鳥倶婆迦がまた突っ込む
「私は男だっちゃ;」
緊那羅が言った
「でも前にあっくん兄ちゃんが男同士でもケッコンはできるっていってたよね」
悠助が言う
「ばっ…; 悠;」
京助がオイオイソレを言っちゃアカンデショというカンジで悠助を見た
「俺と悠助は結婚も子供もできるもんね」
慧喜がにっこり笑って言うと悠助が嬉しそうに笑顔を返した
「ふ~ん…じゃぁ京助と緊那羅はケッコンはできるんだ」
鳥倶婆迦が妙に納得したように頷いた
「ソコ!; 納得すんな!!;」
京助が鳥倶婆迦に向かって怒鳴る
「キ-----------------------------------!!」
ヒマ子がどこから取り出したのかピンクのハンカチをキリキリと歯で引っ張りながら悔しがる
「やはり緊那羅様は-----------ッ!!」
今にも食いちぎらんという勢いでヒマ子がハンカチを引っ張る
「私はただタマネギが…;」
喚き散らすヒマ子に緊那羅が声をかける
「タマネギがなんだって言うんですの!?」
ヒマ子が緊那羅に食って掛かる
「タマネギ切っててそれで目を擦ったら目が…だから京助が…」
緊那羅が説明するとうんうんと一同が頷き始める
「京様が!?」
京助の名前に過敏反応したヒマ子が声を上げる
「こうやって濡れタオルで押えてただけだ;」
「うぷ;」
京助が再び濡れタオルで緊那羅の顔を押えながら言った
「何するっちゃッ!!;」
京助を押した緊那羅が少しよろけるとタマネギを切ったままだったまな板上の包丁が動いた