【第九回・録】ムカムカパラダイス
ダンッ!! という勢い任せで叩きつけました的音が栄野家台所から聞こえたのは金曜日の夕方
「…まな板が今日のおかず?」
悠助と共にホットミルクに蜂蜜を溶かしていた慧喜が言った
「緊ちゃん…怖い」
包丁を片手にした緊那羅の目は据わっていてソレを見た悠助がボソッと言った
「…ムカつくっちゃ…」
真っ二つになったタマネギを今度はリズムよく薄切りにしながら緊那羅が言う
「何があったの緊ちゃん…」
恐る恐る悠助が緊那羅に聞くと緊那羅が手を止めた
「今朝ッ!!」
そしてまた勢いよく包丁をタマネギめがけて振り下ろした
「おいちゃんの計算では次やったらまな板が割れると思うよ」
「あ、ばか」
「うぐちゃんだー」
聞こえた声に慧喜と悠助が反応して声の主の名前を言った
「う・ぐ・ば・かだってんだろっ!!」
慧喜(えき)の呼び方が気に食わなかった鳥倶婆迦がキーキーと喚いた
「やかましっちゃッ!!!」
そんなモブに対して緊那羅が珍しく怒鳴った
「…怖っ」
「京助だー」
「義兄様」
またも聞こえた別の声にまたも慧喜と悠助が反応して声の主の名前を言った
「で? 今朝がどうしたって?」
冷蔵庫を開けて牛乳を取り出しながら京助が聞いた
「今朝散々洗濯物出しておいてくれっていってたじゃないっちゃかッ!!」
緊那羅が京助に向かっていった
「…義兄様のせい?」
慧喜が京助を見ると悠助と鳥倶婆迦も揃って京助を見た
「あ~ワリワリ」
バタンと冷蔵庫の戸を閉めて京助がハッハと笑った
「第一あのシャツ何日間着てるんだっちゃッ! いい加減洗濯しろっちゃッ!!」
反省の色皆無の京助に緊那羅が再び怒鳴る
「んな怒んなくたっていいじゃん;」
「京助汚い~」
「義兄様ソレ全部飲んでよ?」
牛乳をラッパ飲みしだした京助に慧喜と悠助が批難ゴーゴーした
「ちゃんとコップに注いで飲めっていってるじゃないっちゃッ!!」
「ヘイヘイ;」
更に緊那羅も批難ゴーゴーすると京助がやる気なく返事をして冷蔵庫に牛乳をしまった
「ほん…っと…痛ッ;」
溜息をついた直後片手で目を擦った緊那羅が声を上げた
「ッ~~~~;」
緊那羅が足踏みをしつつ目を押える
「緊那羅?」
緊那羅(きんなら)の変な行動を見て鳥倶婆迦が声をかけた
「どうしたの緊ちゃん?;」
悠助も心配になったのかホットミルク入りのカップを置いて緊那羅に駆け寄った
「いたたたたたた~~;」
足踏みを早めて緊那羅が言う
「ばっかお前タマネギ触った手で目ェ擦ったろ;」
京助が口の端を上げて言った
「だってッ; うぁ~;」
「擦るなってのッ; 悠タオルとってんで濡らせ」
目を擦る緊那羅の手を掴んで京助が悠助に言った
「痛い痛い~;」
緊那羅が喚く
「うら」
京助が喚く緊那羅の目に濡れたタオルを押し付けた
「治るの?」
鳥倶婆迦が京助を見上げた
「さぁ」
京助が言う
「義兄様無責任…」
慧喜が呟いた次の瞬間
「…まな板が今日のおかず?」
悠助と共にホットミルクに蜂蜜を溶かしていた慧喜が言った
「緊ちゃん…怖い」
包丁を片手にした緊那羅の目は据わっていてソレを見た悠助がボソッと言った
「…ムカつくっちゃ…」
真っ二つになったタマネギを今度はリズムよく薄切りにしながら緊那羅が言う
「何があったの緊ちゃん…」
恐る恐る悠助が緊那羅に聞くと緊那羅が手を止めた
「今朝ッ!!」
そしてまた勢いよく包丁をタマネギめがけて振り下ろした
「おいちゃんの計算では次やったらまな板が割れると思うよ」
「あ、ばか」
「うぐちゃんだー」
聞こえた声に慧喜と悠助が反応して声の主の名前を言った
「う・ぐ・ば・かだってんだろっ!!」
慧喜(えき)の呼び方が気に食わなかった鳥倶婆迦がキーキーと喚いた
「やかましっちゃッ!!!」
そんなモブに対して緊那羅が珍しく怒鳴った
「…怖っ」
「京助だー」
「義兄様」
またも聞こえた別の声にまたも慧喜と悠助が反応して声の主の名前を言った
「で? 今朝がどうしたって?」
冷蔵庫を開けて牛乳を取り出しながら京助が聞いた
「今朝散々洗濯物出しておいてくれっていってたじゃないっちゃかッ!!」
緊那羅が京助に向かっていった
「…義兄様のせい?」
慧喜が京助を見ると悠助と鳥倶婆迦も揃って京助を見た
「あ~ワリワリ」
バタンと冷蔵庫の戸を閉めて京助がハッハと笑った
「第一あのシャツ何日間着てるんだっちゃッ! いい加減洗濯しろっちゃッ!!」
反省の色皆無の京助に緊那羅が再び怒鳴る
「んな怒んなくたっていいじゃん;」
「京助汚い~」
「義兄様ソレ全部飲んでよ?」
牛乳をラッパ飲みしだした京助に慧喜と悠助が批難ゴーゴーした
「ちゃんとコップに注いで飲めっていってるじゃないっちゃッ!!」
「ヘイヘイ;」
更に緊那羅も批難ゴーゴーすると京助がやる気なく返事をして冷蔵庫に牛乳をしまった
「ほん…っと…痛ッ;」
溜息をついた直後片手で目を擦った緊那羅が声を上げた
「ッ~~~~;」
緊那羅が足踏みをしつつ目を押える
「緊那羅?」
緊那羅(きんなら)の変な行動を見て鳥倶婆迦が声をかけた
「どうしたの緊ちゃん?;」
悠助も心配になったのかホットミルク入りのカップを置いて緊那羅に駆け寄った
「いたたたたたた~~;」
足踏みを早めて緊那羅が言う
「ばっかお前タマネギ触った手で目ェ擦ったろ;」
京助が口の端を上げて言った
「だってッ; うぁ~;」
「擦るなってのッ; 悠タオルとってんで濡らせ」
目を擦る緊那羅の手を掴んで京助が悠助に言った
「痛い痛い~;」
緊那羅が喚く
「うら」
京助が喚く緊那羅の目に濡れたタオルを押し付けた
「治るの?」
鳥倶婆迦が京助を見上げた
「さぁ」
京助が言う
「義兄様無責任…」
慧喜が呟いた次の瞬間
作品名:【第九回・録】ムカムカパラダイス 作家名:島原あゆむ