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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・録】ムカムカパラダイス

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「義兄様ッ!!」
部屋の戸を勢いよく開けたのは小脇に悠助を抱えミニのスカートから少し下着を覗かせた慧喜
「…紫」
そんな慧喜を見て中島が呟いた
「悠助の背中……義兄様…それ…」
部屋の中を見た慧喜が京助で視線を止めて言った
「何~?」
モゾモゾと慧喜の小脇から抜け出た悠助が部屋の中に入る
「悠にも…でてんぞ;」
坂田が悠助を見て言った
「京助背中から何か出てるよ~?」
「お前もでてんぞ悠;」
悠助が言うと京助も言う
「コレは…一体…」
乾闥婆が京助の背中の半透明の羽根っぽい物体に触った
「天使の羽じゃないねぇ; どう見ても」
南が言う
「どっちかっていうと…悪魔ってか…爬虫類の羽」
坂田が言った
「竜…」
乾闥婆が呟いた
「でもまだ不完全ですね…半透明ですし…」
乾闥婆が今度は悠助の背中に目をやった
「感覚とかわかるのか?」
中島が京助に聞いた
「全然…」
京助が何とか自分の背中を見ようとさっきから体をひねっている
「消えるのか? コレ; 明後日までに消えないと学校とか…どうするわけ?」
南が言う
「…そもそもどうして急に…」
慧喜が悠助の隣に来て首をかしげた
「…まだ扉は見えてますか京助」
乾闥婆が聞くと京助が教室の戸によく似た扉が立っている方向を見た
「あるよな」
京助が言うより先に中島が言った
「アンタ達も見えてるの!?;」
慧喜が驚いた顔で言う
「何でココにどこでもドアがあるの?」
悠助が戸がある方向を見て言った
「…悠にはドラえもんのどこでもドアに見える見たいだねぇ」
南がハッハと笑った
「悠助まで…」
乾闥婆が多少混乱しているっぽい顔で言う
「乾闥婆これって…」
慧喜が乾闥婆を見た
「この羽根はおそらく【時】の力ではなく【竜】の力でしょう…」
乾闥婆が言う
「何らかの引き金で京助と悠助の中の竜の血…力が少しだけ目覚めた…と考えるのが最有力だと…確信はありませんが」
乾闥婆が言うと京助と悠助が顔を見合わせた
「じゃぁ何か? その…京助の親父さんの力が全部目覚めちゃうと京助と悠ってウロコとか生えちゃうわけ?」
坂田が言う
「そんでこの辺からツノがにょーんって?」
南も言う
「そしてアレか7個の玉集めて召喚されるのか」
中島が〆た
「…お前等の願い事はぜってぇ叶えてやらん」
京助が言う
「にしても…何故…」
乾闥婆が悠助の羽根を見て呟いた
「鳥さんとかわかんじゃないの?」
南が言う

「迦楼羅? ……!!」
南に突っ込まれて少し考え込んでいた乾闥婆がハッとして顔を上げた
「こんなことしてる場合じゃないじゃないですか! 鳥倶婆迦が!!」
乾闥婆が先の問題を思い出して扉の方に体を向けた
「鳥倶婆迦が?」
慧喜が聞く
「緊那羅を迎えに【天】に…急がないと…」
乾闥婆の言葉を聞いた慧喜の顔つきが変わった
「な…それ本当!?;」
慧喜が声を上げる
「僕は嘘は嫌いです」
乾闥婆がキッパリと言い切った
「お二方に…!!」
慧喜が指にはめていた指輪に手を添えると一瞬にして摩訶不思議服に変わった
「事を大きくしないでください」
扉に入ろうとしていた慧喜の肩を乾闥婆が掴んだ
「でも!!」
「僕が何とかします」
慧喜の肩を軽く後ろに押して乾闥婆が扉の中に入ろうと…