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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・録】ムカムカパラダイス

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「…きょ…うすけくん?;」
中島が恐る恐る京助の名前を口にした
「んだよ」
京助が返事をする
「京助…だよな?」
南が京助の顔を覗き込むようにして聞く
「そうだからなんだよ;」
京助が言う
「…京助…貴方…」
3馬鹿と同じようにして乾闥婆も大きな目をさらに大きくして京助を見た
「その…背中…」
「はぁ?;」
乾闥婆が言うと京助が自分の背中を見ようとして体をねじった
「…ぉぉお!!?;」
そして声を上げた
「なんだコレ!!;」
しかし京助が驚いたのは3馬鹿と乾闥婆が見ているものではないらしく
「なんだって…お前…」
全然別のものを見て驚いているらしい京助と同じ方向に坂田が目をやってそして止まった
「…教室…の…」
中島が言う
「戸…だよ…オイ;」
中島の言葉に南が付け足して言った
「いつの間に俺等学校に…? …じゃない…ココ京助の部屋だ…よ!!;」
坂田が周りを見渡して言う
「貴方達…もしかして…扉が見えて…?」
乾闥婆が驚いた顔で言った
「がらっと」
「んぎゃー!; 開けたよオイ!!;」
京助が戸を開けると坂田が叫んだ
「…開けた…?;」
乾闥婆が更に驚いて言う
「…コレが【天】だかに行く戸かい…教室の戸とソックリだな」
中島が戸に近付いていった
「扉は…それぞれ異なる姿で見えるのです…一番印象の強い扉の姿で…」
乾闥婆が言う
「俺らにとって一番頭の中にある扉は教室の戸である…」
坂田が言った
「それより…京助…」
「あ?」
乾闥婆が京助に声をかけると3馬鹿も京助を見た
「貴方の背中…に…その…」
「だからなんだよ;」
乾闥婆がどう説明していいのか迷っていると
「激写」
パシャッという音がして坂田が携帯のカメラで京助の背中を撮った
「…見てみ?」
そして画像を確認すると京助にソレを向けた
「…何コレ…;」
携帯のカメラ画像を見た京助が少し間を置いて言った

「…悠助…?;」
「何?」
ほぼ同時刻
茶の間で悠助の耳掃除をしていた慧喜が手を止めて悠助に声をかけた
「どうしたの慧喜?」
信じられないという表情で悠助の顔ではなく上半身に目を向けている慧喜に今度は悠助が声をかけた
「…なんなんだやな…;」
コマが言う
「…コレは…」
イヌもポカンとした阿呆顔で身を起こした悠助の背中を見た

坂田が見せた携帯の画面に写っていたのは京助の背中と
「…羽根かコレ;」
自分の背中を写したっぽいその画面を見て京助が聞くと一同が頷いてそのあと首をかしげた
「でも半透明…ですね」
乾闥婆が恐る恐る京助の背中にあるという半透明っぽい羽根らしきものに手を伸ばすと廊下を騒がしく全力疾走してくる足音が近付いてきてそして

スッパァ---------------------------------------------------ン!!!!!