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ヒューマノイド

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 これって衝動買いだったのだろうか? うーん??
 それでも高見沢は大きな段ボ-ル箱に入った『御苦労君』をアパートへと持ち帰った。そしてリビングで早速組み立て始める。
「おっおー、意外に簡単だよなあ。ええっと、エネルギ-は?」
 高見沢は手探りしながら、ロボットの背部に水素のカ-トリッジ・タンクを差し込んだ。そして、その横にある作動スイッチをパワ-・オン。それと同時にロボットの目に青い電光が点り、ジ-という軽快な音を発しながら『御苦労君』が立ち上がったのだ。

「ほっほー、結構いいんじゃないの」
 こんな感激に、ロボットが突然声を発する。
「初めまして、私は商品名・ヒュ-マノイド・御苦労君です。まずご主人様の名前を仰って頂き、それから私の名前を付けて下さい」
 高見沢はこれに素早くレスポンス。
「俺は高見沢一郎だよ。で、あんたの名前ってか? そうだなあ、『御苦労君』の……これからの人生、『苦』がないように……、ゴロウにしょう!」

 それにしても、またいい加減な思い付きで命名したものだ。
 だが、ロボット『御苦労君』は高見沢の思いやりをしっかり認識できたのか、嬉しそうにじっと見つめてくる。

「一郎様、早速祈りを込めて命名をして頂き、まことにありがとうございます。そうですよね、私はご主人様に『苦』労を掛けてはいけない……ゴロウです」
「おっおー、お主、案外賢いのう」
 高見沢がこう誉めてやると、ゴロウは「一郎様のために、一生懸命家事お手伝い致しますので、なんなりとお申し付け下さい」とまたまた殊勝なことを口にする。
 これで高見沢は、単身赴任の家事雑用から一切解放されるかと思うと頬が緩む。


作品名:ヒューマノイド 作家名:鮎風 遊