小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ヒューマノイド

INDEX|5ページ/19ページ|

次のページ前のページ
 


 高見沢は、この『御苦労君』の性能はかなり高度なものがあるとカタログや広告で理解している。

『御苦労君』は身長140センチ、体重40Kg。従来型ロボットより随分と細型で、完全な二足歩行なのだ。
 組み込めるソフトは、四つのオプション・ソフトが用意されている。購入者がその用途に応じて、その一つを選択し、インストールする仕組みとなっているのだ。
 そのオプション・ソフトとは、次の四つ。

 (1) 連れ合い人生お話し相手
 (2) 手抜きなし家事お手伝い
 (3) 介護しっかりサポ-ト
 (4) 愛玩ペット・チンパンジーモドキ

 もちろん、いずれのオプションも密なコミュニケ-ションが日常語で可能。そして、その応答速度は人間の10歳レベル。不自由さを感じさせず、結構速い。
 高見沢がそれらにも増して一番気に入っている機能。それは[ミラ-・ニュ-ロン]システムだ。

[ミラ-・ニュ-ロン]システムとは、ここ最近急速に解明が進んできた仕組み。そして、こぞって応用され始めている。
 それは猿とか人間だけが持ち合わせている脳内システム。

 つまり、ある特定の行為を自分自身がした時だけ発火(脳の活性)するのではなく、他の人がした時も、見ただけで発火するニュ-ロン(神経細胞)で、人間におけるそのシステムは前頭葉の運動前野に存在する。
 これを端的に言えば……[見まね]機能だ。


作品名:ヒューマノイド 作家名:鮎風 遊