ヒューマノイド
高見沢は、ヒュ-マノイドからの突然の愛の告白で、次の言葉が見つからない。その後、少し考えてぽつりぽつりと口を開く。
「へえ-、そうなんだ、あなたたちはヒュ-マノイドだけど、恋をするんだ。そうなのか、そういう感情まで持つようになってしまったんだね。これって、スゴイ話しだよなあ」
「実はそうなんです、一郎さん……、これって悪いことですか?」
ゴロウは真剣に尋ねてきた。
「いや、別に悪いことではないけど、とにかくびっくりだよ。で、ちょっと訊きたいのだけど、このアパートに一日中閉じ篭ってて、外界からは隔離されている状態で、そんな恋という感情をどうやって学習したんだよ?」
高見沢はふと浮かんだ疑問を質問した。それに対し、メアリ-さんが今度は恥かしそうに答える。
「実は……、テレビなのです。ご主人様のいない時に、ゴロウさんと二人で、昼間放映しているドラマのラブロマンスを見ていたら、ミラ-・ニュ-ロンが発火し、恋愛の学習をしてしまったのですよ」
「ふ-ん、そうなんだ。本来なら料理番組でも見て、もっと勉強して欲しかったんだけど、まあ、何事にも一生懸命で……、メアリ-さんはいつも偉いね」