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ヒューマノイド

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 そんな高見沢とメアリ-さんとのやり取りを、ゴロウが横からじっと見ている。どうもゴロウの目つきが、高見沢以上にうっとりしているではないか。
 高見沢はゴロウに「明日、6時にしっかり起こせよ」と確認すると、ゴロウは最近になく殊勝に「はい、わかりました」と返事をした。それからまたメアリ-さんの方をじっと見つめてる。
 なにか……、少し変?

 いずれにしても、こうしてまたまた新たに、今度は高見沢とゴロウ、そしてメアリ-さんとの一人二匹の生活が始まったのだ。

 単身赴任安物アパートで、こんな奇妙な生活がしばらく続いて行く。
 高見沢は文句は多くあっても、ゴロウはゴロウで結構オモロイヤツだし、メアリ-さんは理知的で賢い女性ヒュ-マノイドだし…… 。生活が本当に豊かになったようで楽しかった。
「ヒュ-マノイドとの共同生活も結構面白いなあ」
 最近そう思うようになった。

 そんなある日のこと、高見沢は風邪気味で体調が悪く、午前でオフィスの仕事を切り上げて、アパートへと帰った。
 ゴロウとメアリ-さんが掃除に洗濯、夕食の準備と甲斐甲斐しく働いてくれているはずと思っていた。


作品名:ヒューマノイド 作家名:鮎風 遊