映画に観るディストピア(世界終焉・人類滅亡)
とか書いちゃうとやっぱりダメダメ映画じゃない!と思われちゃうんだけど、そんな事はありません。山田孝之君が逸早(いちはや)く順応するように自分自身に化粧と言うかペインティングするシーンや、妻夫木聡の幻覚に出てくるシーンは、ここまで絶望的な状態なら、一つの人間の本能的行動として、かなりあり得そうで、だからこそ怖いな~なんて思っちゃいました。「闇と仲良くしないとね!」と顔に特殊なペンディングをした山田孝之が話し、「この世界は気色悪いほど、深い」と藤木直人が語ります。あの火山灰に覆われて、今まで人類が日本人が当たり前のように受けていた、ガス、水道、電気が一瞬の内に全て崩壊し、頻発する地震を体験したのならば、集団ヒステリーや絶望から日本人の大人達は、我が子や訳も分からず暴れ出す若者達を全部殺す為に一致団結するのも、やっぱりなんかありそうで怖かった。因みに、自分だったらこうするな的でリ・イマジネーションするのならば、子供の脳の手術シーンの映像や、東京や各地での群衆のパニックによる殺戮シーンも特殊メイクたっぷりに撮影してもらいたいし、藤木直人達がいた自衛隊内での壮絶な殺戮シーンも言葉ではなく、映像で見せるんだけどな~、でもR15としては免れないか。
本当の意味で、良く考えられた物語であり、人間の究極の心理状態を良く付いている優れた作品でもある。アカルクナイ近未来として「マッドマックス2」の影響は計り知れないけど、この弱肉強食な社会よりも磁場の乱れと圧倒的な不安と絶望状態の精神状態で生きていくことのリアルさは、申し訳ないけど「ドラゴンヘッド」に軍配が上がってしまう。地震列島であり、マグマの通り道的な日本に襲いかかるディザスターでディストピアな世界観を描き切った次には、是非、漫画「サバイバル」の実写映画化を飯田譲治にまたまた監督してもらいたい。「ドラゴンヘッド」程、究極な絶望感はなく、しかし、知識経験を積めば生き残ることが出来ると言うシミレーション的な映画を、これからの日本人は欲しているのかもしれない、なんとなく。
作品名:映画に観るディストピア(世界終焉・人類滅亡) 作家名:如月ナツ