降誕祭の夜
食後のコーヒーを飲みながら、夜が更けるまで私達は話した。
「さて、そろそろ・・お風呂入ろうか、ママ!」
「え?!恥ずかしいわよ、こんなオバアチャンになっちゃったもの」
「何言ってるんだよ、夫婦なんだから」
「ママには迷惑かけちゃったからな、背中・・流してあげるよ!」
強引にパパに手を引かれて、2人はお風呂に行った。
私はパパのピースを一本失敬して、ゆっくりと懐かしい味を楽しんだ。
「毎日、こうだったらいいのに・・」
でも、そうはいかない事は私にも分かっていた。
「出たわよ、ヒロシ・・入りなさい!」
「は~い!」
その夜、私たち親子は2階の寝室に川の字に布団を並べて敷いた。
「昔のまんまだね、こうしてるとさ」
「パパだけ若いわよ、ズルいんだから!」
「まだ言ってる、相変わらずしつこいな、ママは・・」パパのため息に母と私は笑った。
私はこの時間が続く事を願った、ずっと。
翌朝、私は両親のささやき声で目が覚めた。
「ヒロシ、寝てるかな?」
「どうかしら・・狸寝入りじゃないの?」
「起きたよ、2人の声で。」
私が起き上がると、2人が手を繋いで足元に立っていた。