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朝霧 玖美
朝霧 玖美
novelistID. 29631
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「秋の恋」

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髪も体も洗い、清潔になってホッとしたせいで、こんなことを考えるのか?
失恋の切ない気持ちも少し軽くなった気がした。
下着をつけてガウンを着て部屋に戻った。
髪はタオルを巻いたままだ。
友也は広いベッドに座り、ゲームをしていた。
「お!出てきたか。さっぱりしたか?まぁ、砂浜にいるだけでも潮風でべたつくものな。じゃ、ついでに俺もざっと入ってくるから、髪でも乾かしてれば?」
「言われなくたってそうします~だ」
口をとがらせていう夏美を見て、「まったくかわいげの無い女だ。覗くなよ」と笑いながら言って風呂場へ消えた。


お風呂場で鼻歌を歌っているのを背に洗面台の前で髪をドライヤーで乾かしていた。
あらかた乾いたところでベッドに上がって、友也がやっていたゲームを見てみた。
ゲームは失恋相手もしていたが、夏美はよくわからなかった。
テレビをつけてベッドのヘッドボードに寄りかかって見ていた。
午後のワイドショーが流れている。
見ているうちに、眠気が襲ってきた。毎晩なかなか寝付かれず、睡眠不足が続いていた。
見知らぬ人でもそばにいてくれる安心感からか、気持ちがほっとしている。
ベッドで枕を抱えて眠ってしまった。

作品名:「秋の恋」 作家名:朝霧 玖美