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てっしゅう
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「神のいたずら」 第十一章 運命の前夜

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「ありがとう・・・大きくなんかないけど、ほんとうよ。だから心配しなくていいのよ」
「安心した・・・それとね、麻美まだ来ないの・・・お姉ちゃんはいつ来た?」
「ああ・・・それもね遅かったの。中学一年になってからだったよ」
「そうなの、友達はみんな来たから、取り残されたって悩んでた。聞いてよかった」
「そうね、女の子だから心配するよね。お母さんには相談しなかったの?」
「だって・・・話しづらかったから」

麻美は今の母親が本当の母親ではないと知らされてから、距離感を持ち始めていた。自分を姉のように慕えるのなら、そうなってやりたいとも考えた。

「麻美ちゃんのお姉ちゃんになろうか?そうしたらなんでも話せるでしょ」
「本当になってくれるの?麻美のこと妹にしてくれるの?」
「そうしよう!約束するから・・・もう悩まないでね」
「うん、お兄ちゃんに言ってくる」駆け足で部屋を出て、階段を下り隼人に今の碧の言葉を伝えた。麻美は兄が好きなのだ、碧はそう思った。

「碧・・・すまない、麻美が無理を言ったようで。助かるよ、俺じゃあ女の子の事は解からないからなあ・・・母さんもきっと喜ぶよ」
「お兄ちゃんも碧お姉ちゃんと仲良くしなきゃダメだからね」
「怒られちゃった!ハハハ・・・毎日がこんなふうに楽しいといいなあって思うよ。今までずっと辛かったから・・・これからはいつも3人だな」
「麻美は淋しくなんかないよ。お姉ちゃんが出来たから。遠慮しないで二人で仲良くしてきたら?お母さんには喋らないから」
「こいつ!何をませたこと言ってやがる・・・言われなくても・・・」
「言われなくても、何?お兄ちゃん」
「突っ込むな!子どものくせに」
「隼人さん、子供って言っちゃだめ。気持ちはもう女なんですから」
「そんなものか・・・」

隼人は自分の部屋に来るように碧を誘った。

隼人と二人になって碧はシャツの下に何も着ていないことに気付かされた。透けて見える事は無かったが、太股から下は丸出しだし、ブラをつけてないから動くたびに胸も揺れた。床に正座して、見られないように手でシャツの裾を引っ張っていた。

隼人はその姿を見て男としての欲望に駆られた。碧と背中合わせになるようにして座った。
「ねえ、どうして後向いて座ったの?」
「その格好じっと見てられないから」
「私の事好きよね?絶対に守ってくれるよね?」
「ああ、約束する。俺には碧しかいないから。大好きだ」
「じゃあ、こっち向いて・・・」
「うん」

隼人は横に並ぶようにして寄り添った。
碧は手を繋いだ。正座していた足を崩して真っ直ぐに伸ばした。しなやかで細い足の全てが隼人の目に入った。恥ずかしいぐらいにもう大切なところは上を向いていた。碧はそれに気付いた。
「隼人さん・・・我慢しなくていいよ。碧も初めてだけど・・・後悔しないから」
「碧・・・俺・・・うまく出来るかな?」
「出来なくてもいいよ。抱いてくれるだけで嬉しいから」
「本当か?」
「うん、キスして・・・」

ぎこちないやり方で隼人は碧の唇に重ねた。碧は待っていたかのように強く吸った。反射的に隼人は身体を倒して碧の上になった。唇を離してじっと目を見つめた。そしてその視線をゆっくりと下に向けTシャツを下から捲り上げた。碧は初めて自分の身体を男性に見せた。覚悟は決めていたが恥ずかしさからか、目を強く閉じて隼人の両腕をぎゅっと握っていた。

隼人は碧を裸のままお姫様抱っこをしてベッドに運んだ。そして自分も着ているものを脱ぎ、再び身体を重ねた。温かい隼人の温もりと触れ合う肌の感触がゆっくりと碧を女に変身させて行く。

「隼人さん・・・好き・・・」
「碧・・・きれいだ・・・とっても・・・」

碧の真っ白な身体は少しずつ赤みを増して、薄っすらと汗ばむようになって来た。弥生が「心配することないって、自然と出来るようになるから」と言っていたように、初めて受け入れる部分から熱いものが出始めていた。

隼人が少し焦っているのが感じられた。碧は自分から膝を立てて足を開き迎え入れようと姿勢を変えた。その格好が刺激的過ぎたのか隼人は「うっ!」と声をあげて出してしまった。碧はお腹の下辺りに温かいものを感じた。

「ゴメン・・・」隼人は情けなさそうに言った。
「うん・・・」
ティシュで拭いて碧の横に背中を向けるようにして隼人は横になった。丸まるようにして何も言わない隼人の背中を触って碧は自分のことのように気持ちが理解できた。

「こっち向いて」
「碧の顔、恥ずかしくて見れないよ」
「何で?」
「だって・・・情けないよ。入れる前に出しちゃうなんて」
「碧だって男だったらそうなっていたかも知れないよ。気になんかしてないから、碧の方を見て」

隼人はゆっくりと身体を返して碧と向かい合うようにした。直ぐに碧はしがみついて、
「ねえ、強く抱いて・・・」そうせがんだ。
「こうか?」両手で挟み込むようにしてその身体を引き寄せた。ピッタリと身体の殆どがくっ付いていた。

「終わったらこうしていて欲しいの・・・ずっと。碧はそれだけで気持ちいいから」
「うん、悪かった。自分だけ済ませてしまって・・・気が抜けていた。これからはそうする」

どれぐらいそうしていたであろう・・・二人の身体から汗が滲み出していた。碧は隼人の母親が帰ってくるような気がして身体を離した。
「ねえ?お母さん帰ってくる時間じゃないの?着替えなきゃ」
「何時だ?・・・7時半か・・・そうだね」
「じゃあ、シャワー使わせて?」
「いいよ、俺も使いたいから下で待ってるよ」

碧は着替えを持ってTシャツ姿で風呂場に行った。着てきた服に着替えて、濡れた髪をドライヤーで乾かしながら隼人が出てくるのを待っていた。自分の部屋から出て下に降りてきた麻美がその様子を見て碧に近寄ってきた。
「お姉ちゃん!いい事あったみたいね」

そう聞かれて、碧は恥ずかしく感じた。兄のことが好きな麻美がどういう気持ちになっているのか探るように答えた。

「麻美ちゃん怒ってない?碧がお兄ちゃんと仲良くしていること」
「何で怒るって思うの?」
「お兄ちゃんの事好きなんでしょ、麻美ちゃんは?気にならないかなあってそう思ったの」
「お姉ちゃんには敵わないから・・・諦める。でも約束して、麻美の本当のお姉ちゃんになってくれるって!」
「本当の?まだ碧は中学生よ」
「ずっとお兄ちゃんと仲良くしてゆくんでしょ?だったら、いつか結婚して麻美のお姉ちゃんになるって思うから」
「そうか、そうだね。きっとそうなるね」
「本当!麻美ねこう見えてもお料理とかお洗濯とかは上手なんだよ。お母さんにいつも褒められるんだから。ねえ?今度いつ来てくれるの?ご飯一緒に食べようよ」
「嬉しい事言ってくれるのね。お姉ちゃんね夏休みまでは部活が忙しいの。それ過ぎたら暇になるから時々遊びに来るから、待ってて」
「そんなに?麻美の誕生日もう直ぐなのになあ・・・」
「そうなの。いつ?」
「5月15日だよ」
「もう直ぐね・・・土曜日になるのね。学校お休みだから、部活早めに終わって遊びに来ようかな。お兄ちゃんお風呂から出てきたら聞いてみよう」
「うん、みんなで、お母さんも一緒にご飯食べよう!」