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34.NO TITLE(12/9)　：ギリヴ

　電子メールが届いた。
　タイトルも本文も…それどころか差出人のアドレスすらない謎のメール。
「ねぇ、こんなの届いたんだけど…」
　あの人にそれを見せると、彼女は何故か小さくくすりと笑った。
「え、なに？」
「いや、ごめんごめん」
　彼女は首を振りながら謝罪をする。
　そして遠い目をしながら言った。
「帰ってくるってさ」
「誰が？」
「キミの本当の命の恩人が」
　それは、まだ何も知らなかった頃の話。
　それは、まだ二人だった頃の話。