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28.薔薇色(12/3) :先生


 その日は、朝からとにかく厄日だった。
 朝食に目玉焼きを食べようとすれば、直前でキッチンの床に落として割るし、それが見事に服にかかって着替えるハメになるし、家を出てすぐにぬかるみに足を突っ込んでそれが無駄になるし。
 いくら狩りをしても欲しい素材は手に入らないし、気がついたら広い広い森の中で迷子になっているし。
 そして極めつけは、
「かはっ…」
 この口から溢れる赤いもの。
 森を彷徨い歩いている内、どうやら崖から落ちたらしい。
 気づいたらオレの身体は落ち葉の上に転がっていて、全身がズキズキと傷んだ。
 おそらくその際に骨が折れ、それがどこかの内蔵を傷つけたのだろう。
 喉の奥から強く鉄の臭いがした。
「あれ…」
 それほど血を流したわけでもないのに目が霞む。
 それに、なんだかこの状況は身に覚えがあるような…
「…オレの血、こんな色してたっけ…?」
 そう思ったのを最後に、オレの意識は闇へと溶けた。