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14.天体(11/19) :灰と白


 夜中、肌寒さに目を覚ますと、ベッド脇の窓が大きく開いていた。
「…あ、ごめん。起こした?」
 どうして気づいたのか、窓辺に立つアッシュがこちらを振り向きもせずにそういうと、窓を閉めようと手を伸ばした。
「あっ待って!そのままでいいよ」
 そう言って、ぼくはベッドを降りると、彼の隣に立つ。
 そして、外を彼が見ていたものを眺める。
 満天の星空。
 この町は、夜になると真の闇が降りる。星を見るにはもってこいの町だった。
「…」
 星という星が目に飛び込んできて、吸い込まれるような感覚を覚える。
 そのままじぃっと星を眺めていると、不意にアッシュが話し出した。
「天体を眺めてると落ち着くんだ。こうして寒い日なんかはとくにさ」
「へぇ…」
「星とか空とかが特別好き、ってわけでもないのにな…なんでだろ」
 まるで愛おしいものを見るかのように空を見上げるアッシュは、まるでただの少年のようだった。