さくら
「とりあえずこの絵が売れるまでと言う事でどうです」
「ありがとうございます。今からお願いします」
「名前は?」
「桜木さくらです」
「いい名前ですね、それでさくらの絵を」
「はい、日本一の絵を描きます」
私はさくらの絵は、N画伯にも匹敵するのではないかと思ったくらいだった。
私は妻に先立たれ、高校2年の娘と2人暮らしであった。
さくらは娘と同居させることにした。
店の客に連絡するとさくらの絵は、私の思った通り50万の値で売れた。
「これだけのお金があれば、アパートが借りられますよ」
「ここに置いてください」
「さくらさんは絵を描いていればいいでしょう」
「え、絵を描くのも疲れるので・・・」