傷
提携先の銀行を見つけると、200万円を引き出した。
「これからアパートを探すよ」
「なんで」
「住むとこないんだろう」
「嘘、何でそんなことしてくれるの。援助交際は嫌だよ」
「そんなことはしないさ」
「だったらなんで」
「ちゃんと立ち直って欲しいんだ」
「信用していいんだよね」
その時の大塚桜の顔は、生まれたばかりの赤ん坊のように愛おしかった。
アパートは直ぐに見つかった。
3日後には入居出来ることになった。
青田は大塚桜に50万円を渡した。
「好きに使って御覧」
「・・・・」
大塚桜は黙っていた。