傷
「どこでもいいから連れてって」
「宇都宮でいいだろう」
「駄目、泊まるとこないから」
「実家だろう」
「大学の時に住んでいただけよ」
「どこに行けばいいんだ」
「行くとこないよ、彼の家にいたんだもの」
「了解」
青田は考えてしまった。
このまま放り出すことも出来なかった。
佐野のインターで降りることにした。
ちょうど昼時なのでラーメンを食べようとしたが、財布の中は小銭も入ってない。料金所はカードで通過したが、100円玉一つも無いと言うのも淋しいものであった。
青田のカードは300万円のキャッシングが付いていた。
まだ一度も使った事は無かった。
とりあえず、大塚桜の住む所を確保いてやろうと考えた。
青田は迷わず200万円を借りようと考えた。