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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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宇都宮の降り口に入ると、大塚桜は
「鬼怒川に行きたいで〜す」
「とりあえず了解」
青田は料金所を出てバイクを止めた。
「鬼怒川に何しに行くの」
「もちろん泊まりよ」
「おじさんはここで帰るから、1人で行ってくれないか」
大塚桜はヘルメットをとって
「2人でお風呂に入りたい」
といった。
まるで娘が父親にねだるかのようにあっけなく言うのである。
その顔も素直な子供の様な顔であった。
「了解」
青田はそのまま日光の有料道路に入った。
6月の日が長い時とは言え、6時を過ぎると太陽は沈み始めていた。
「夕焼けが綺麗です」
作品名: 作家名:吉葉ひろし