傷
青田は宇都宮に向かいながら、自分の帰る道を見つけた様に思えた。
これからでもやり直すことは出来るのではないかと感じていた。
「このまま走っていたら気分いいのに」
「あと1時間で目的地です」
「楽しい事って短く感じる」
「おじさんも楽しかったよ。お嬢さん」
「了解しました」
大塚桜の笑う声も聞こえた。
どこでどんな人に会うか、どんな楽しみに合うか、どんな苦しみに合うか、ただ走らなければバイクのように倒れてしまう気がした。
青田は今日知り合った大塚桜を乗せてバイクを走らせた。
気分爽快であった。