傷
大した傷ではないが、いつかは由美に秋草との関係は話さなくてはならないと考えていた。
「一緒に来てくれないか」
「どうして」
「君との関係を話そうと思う」
「駄目よ、そんなことは出来ないわ」
「このままではいられない」
「きっとどちらかが別れることになるわ」
「それは解ってる」
「私はこのままでいいわ。別れたくない」
「由美が言い出すと思う。そうゆう女だよ」
「あなたは私を選んでくれるの」
「そうしたい」
「嬉しいけれど、海老原を悲しませたくはないわ」
「では、看護婦として来てくれないか。病院で偶然に会ったことにすればいい。由美の様子で話すよ」
「解ったわ」