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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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3月を迎え、幸子は美大にも医大にも合格した。
幸子が選んだ道は医大であった。
青田は手形の期日が来て1000万円になったら、その金は北野に渡そうと考えていた。
1度は秋草に渡そうと考えていた金である、北野のフライトでの言葉が幸子の心を決断させてくれたような気がしたのである。
青田は北野とはこのまま心の恋人を続けたいと考えていた。
幸子が医大に進んでくれた歓びと引き換えたものは、妻の由美に対しての心の傷であった。
秋草との関係は青田自身にとっては悦びであったが、心のどこかで怯えながらの悦びであった。
青田は自分の心が機械のように制御できればどんなに生きて行くことが楽しい事かと思い始めた。
作品名: 作家名:吉葉ひろし