傷
薄暗い照明の中で、男と女の臭いがする、不純な部屋には似合わない、高校生の様な秋草の顔が見えた。
青田は再び秋草の体を求めた。
秋草は、今度は少女のように恥じらいだ。
青田は秋草の愛を感じ取ったのだ。青田の優しい愛撫が続いた。
「時々でいい、会って欲しい」
「困ってる事があったら相談してほしい」
「もう、逃げないでくれるわね」
「辛い思いはさせないさ」
秋草の涙が青田の胸を濡らしていた。
ラブホテルを2人は別々の車で出た。
もう、他人の様であったが、青田も秋草も心は満たされていた。
それぞれがそれぞれの道に車を走らせた。