傷
予想もしていなかった事の展開に、青田は推薦の事を考え始めた。
青田は秋草のこの行為が自分を好いていたのか、そうでなく観念しての事なのか、不思議のままにしておきたかった。
そして、幸子の事も自分の好きなようにさせたいと思い始めた。
秋草とのこの自由な行為の解放感が青田の考えを変えたのだ。
幸子の学力なら入試で医大にも美大にも合格できるはずだと青田は信じた。
ガウンをはおり髪をタオルで拭きながら秋草はベットに腰をかけた。
「推薦は辞退させる」
「なぜよ」
「君の真剣さには負けた」
「助かるわ、信じる」
「図書室でのお詫びだから」
「こんなに素直な気持ちで言葉を受け取れるって素敵です」