傷
幸子が推薦を落とされたことを知った時、多額な金品が動いているのではないかと、青田は疑い始めた。
国立と私立の医学部に進学するのは、経済的に大きな差がつく。まして推薦がもらえれば入試の費用もかからないのである。それだけでも宿泊費や受験の数を5校にしても50万円は浮くのである。
幸子は学年でほとんど1番であった。
青田は推薦は受かるものと安心していた。それぞれの挨拶回りも形式的と考え、5万円の商品券も由美が渡さなければ、菓子折りでいいと思っていた、
聖職にあるものがそんな物を受け取るとは考えてもいなかったのである。
由美は父兄面談や、三者面談でちょくちょく渡していたと言った。
商品券を受け取った、学年主任はそれ相応に幸子のために力添えをしてくれたのだろう。