傷
離婚の時の秋草の言葉が、洋子には忘れる事が出来なかったのである。
「顔で結婚したが、子供があととりに馴れない様なお前の学歴にうんざりだ」
洋子は認知も断り、養育費も断ったのである。
散々「金に目が眩んで」と言われたのである。
確かに容姿は見栄えのしない男であった。
離婚してからは最低の男の顔に見えたのである。
看護婦としての洋子は優しく、評判は病院で1,2であった。
所が、娘の教育になると鬼である。
この推薦に対してもそうであった。
推薦で発言力のある、森田進路指導部長を3か月前から誘惑し、ついには関係を持ったのである。
洋子はマリネに内定するまで関係を続けるつもりでいた。