傷
青田は水沢校長から送られてきた、秋草マリネの保護者の名前を見て、山崎洋子ではないかと感じた。秋草洋子。
山崎は看護婦の資格を取り、大学病院に勤務したと聞いていた。
山崎はその病院で研修医の秋草と知り合ったのであった。
しかし5年で秋草に別の女性が出来離婚したのだった。
山崎は秋草の姓のままでいた。
2年前に生まれ故郷に帰って来たのである。
その目的はマリネの医学部への進学にあった。
二星女子高校はG大学の医学部の指定校推薦校であることは良く知られていたのである。
1度は東京の私立高校に入学したが、二星女子高校に編入したのである。
経済的に貧しい秋草は国立の医学部を狙ったのである。
どんな手段を講じても秋草は推薦を取りたかったのであった。
マリネを医者にすることで離婚した秋草に復讐するのである。