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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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青田は部屋に入ると上着を脱ぎそのままベットに仰向けになった。
アレス工業への報告書を頭の中で整理していた。1000万円の手形は300万が90日と120日残り400万円は150日である。このままではアレス側が承諾するのは5分5分であろう。
青田が北野を気にかけているのは美しい女だからだけではない。評判どうりの女性であることに違いは無かった.それに青田は一目惚れをしたのかも知れない。
それ以上に彼女の経歴である。裕福な家庭に高校2年まで育ちながら、父親の土建業が親会社の不渡り手形で連鎖倒産したのだ。
北野はそこから自力で今のMARINE海洋開発を建ち上げたのである。
電話が鳴った。
「フロントですが、外線で北野様よりお電話ですが、おつなぎ致しますか」
「お願いします」
作品名: 作家名:吉葉ひろし