傷
レストランの外は寒い。
北野は青田の腕に腕をからませた。
「このくらいなら奥様、お許しになるでしょうね」
北野の体で青田は自分の体が熱るのを感じていた。
青田が予約したホテルが見えてきた。
「ありがとう」
「調査の件お願いします」
「期待に添えるように致します」
「お願い」
北野は青田の頬に唇を付けた。
青田は北野の必死な様子が感じられるだけに、何か北野の腕のぬくもりの淋しさも感じてしまった。
本当に心から北野が自分にしがみついて来てくれたら嬉しいと思い始めていた。
「おやすみなさい」
「気をつけて帰ってください」
青田は北野を見送った。