傷
「この白いお皿何か意味があるのかな」
「あ、これは幸せのお皿」
「幸せのお皿って・・」
「幸せを乗せるの」
「そんな感じの詩を山崎さんが書いたよな」
「本当は私なの」
「山崎さんだよ」
「山崎さん文集に載せる詩が書けないって言うので、私が書いてあげたのよ」
「そうか、いい詩だ。今でも忘れないで覚えてる」
「先生は何を乗せてくれるの」
「はい、忘れる所でした」
青田は給料袋をポケットから取り出した。
「私、無給でいいから」
「それはまずいよ」
「このお皿に先生の言葉を乗せて」
海老原は白い皿を手に持ち、青田の前に出した。