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ゴーストガイド 第一話

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「日宮くん、本当に大丈夫なの?」
「う、うん。大丈夫」
「私、保健委員だから、本当に悪かったら言ってね。保健室まで付き添うから」
その言葉にまわりの男子から矢のような視線が向けられた。
この辺はさすがと思う。
「大丈夫だから」
「じゃあ、良いけど」
そう言って彼女は席に戻った。
「お前と彼女はどんな間柄じゃ?」
唐突に少年は聞いてきた。
「ただのクラスメートだけど。携帯のアドレスも知らないし」
「ふむ。じゃあ、これからは気をつけるんじゃ」
「どうして」
「あやつ、こっちを見た気がする。それに詳しく見ないことには分からんが何か憑いてるやもしれん」
「え?何か訳ありなの?」
「今は何とも言えんが、注意するに越したことはない」

三時間目は彼女が気になって仕方なかった。


「なぁ、案内人ってのは具体的に何をするんだ?」
「情報収集、曰くのある場所の案内」
「それ、一人でできるんじゃ」
「わしは地図で調べることができん。噂も受動的に聞くしかないから効率が悪い。
 生きてる人間がその役をやってくれたら大幅に効率が上がるんじゃ」
「なるほど」
「それに、能力があれば一緒に戦うことができる」
「朝ノ木さんも助けられるってこと?」
「それはお前次第じゃ。今のところ見えるしか能がないようじゃからな」

四時間目も何度か彼に助けられた。


市内のとある地区。その場所は住宅街にも関わらず廃墟のような寂しい気配が漂っていた。
ワンッ!ワンワンッ!!
ワン!ワンッ!
ある通り沿いで飼われている犬がけたたましく鳴いていた。
その鳴き声を聞いて、外に出ていた人たちはいそいそと家の中に入っていく。

その後、しばらくもしないうちに巨大な何かがのっそりと歩いていった。


昼休みはいつもの友達と一緒に弁当を食べていた。
「なぁ、この町に心霊スポットってある?」
「なんだいきなり?お前、そういうの信じてないんじゃねーの?この前の心霊番組も否定してたし」
「別にいいじゃん。ちょっと気になったんだよ」
「まぁ、一番有名なのはあそこだよな」
「そうだな」
「ミカラ地区」
三人が神妙な顔して声を合わせた。
「この辺の学校の七不思議には絶対入ってるしなー」
「ああ。あの妙に閑散としてる」
「出るから、みんな引っ越すらしいぜ」
「出るって、そんな地域全体に?」
「声が聞こえるらしいんだ」
「それに昔から住んでる人は夜は絶対出歩かないらしい」
「後、何十年も放置されてるボロ屋敷があって、そこも絶対に近づかないらしい」

「当たりじゃな」

少年はボソっと呟いた。

作品名:ゴーストガイド 第一話 作家名:にっち