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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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店を出ると
「少し歩こうよ」
と幸子が言った。
水銀灯の明かりに白い幸子のスカートに刺繍された銀の蝶が舞って見えた。

1ヶ月のアルバイトはすぐに終わった。
幸子は英語と数学が解らないといい、仕事が終わると2時間ほど幸子の寮で勉強をした。
寮には幸子の他に3人女工さんが居た。3人とも幸子の定時制高校の進学を応援してくれた。
「解らないことが有ればいつでも来ます」と言って別れた。
幸子は勉強を教わったお礼にと、蝶の刺繍のあるハンカチをくれた。
それは白いスカートの蝶の刺繍と同じであった。

 
作品名: 作家名:吉葉ひろし