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城咲らんる
城咲らんる
novelistID. 32793
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終わらない僕ら

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 逸らしたいはずの視線を強引に私の方へ向けて、今にも泣き出しそうな表情だった。笑顔と呼べる代物ではなかったかもしれない。でも、綺麗だと思った。悔しいけれど。
「それじゃ、いきなり呼び止めてごめんね。ありがとう!」
 一方的に話を済ませ、真中君は足早に去っていった。「ありがとう」は一体何に対するお礼なのだろう? 立ち止まって話を聞いたこと? それとも、御堂君と付き合っていることに対するお礼?
 どちらにしても、私が彼を前にして味わったのは・・・敗北感だった。不安が的中してしまった。なんだ、彼も同じ気持ちじゃないか。
 想いを断ち切らなければならないのは、私の方かもしれない。

 
作品名:終わらない僕ら 作家名:城咲らんる