終わらない僕ら
逸らしたいはずの視線を強引に私の方へ向けて、今にも泣き出しそうな表情だった。笑顔と呼べる代物ではなかったかもしれない。でも、綺麗だと思った。悔しいけれど。
「それじゃ、いきなり呼び止めてごめんね。ありがとう!」
一方的に話を済ませ、真中君は足早に去っていった。「ありがとう」は一体何に対するお礼なのだろう? 立ち止まって話を聞いたこと? それとも、御堂君と付き合っていることに対するお礼?
どちらにしても、私が彼を前にして味わったのは・・・敗北感だった。不安が的中してしまった。なんだ、彼も同じ気持ちじゃないか。
想いを断ち切らなければならないのは、私の方かもしれない。