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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・伍】散歩道

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「…で?」
テーブルに肘をつきソレに頬を突いた京助が訊ねたのは坂田
「構え」
坂田が言う
「帰れ」
京助が返した
「ヒマなんだよ」
坂田が身を乗り出して言う
「だからって何で俺ン家くんだよ」
同じく身を乗り出して京助が言う
「なんとなく」
坂田が言う
「なんとなくでくんなよ;」
「まぁまぁ…;」
京助が言うと緊那羅が部屋に入ってきた
「お茶入れたっちゃ」
そういって緊那羅がテーブルの上に湯飲みを置きだした
「茶菓子は持参したから」
坂田がガサゴソと取り出したのは
「…お前コレ…たしか柴田さんにとかで買ったヤツじゃねぇの?」
京助が見覚えあるパッケージをみて坂田に聞くと【柴田】に反応して緊那羅が手を止めた
「…別に…」
坂田がチーズおかきの封を切って一枚口に放り込んだ
「お前もいちいち変な顔すんな;」
「たっ;」
止まっていた緊那羅の頭を京助が軽く叩いた
「誰も柴田になんて言ってないし」
ボリボリと口を動かしながら坂田が言う
「まぁ…そりゃそうだけど…」
京助がチーズおかきに手を伸ばした
「…なぁ京助」
坂田が湯飲みを手に京助を見た
「…俺って変わってないか?」
「はぁ?;」
坂田の突然の質問に京助の口からチーズおかきがぽとりと落ちた
「俺小さい頃からかわんねぇか?」
坂田が聞く
「でかくはなっただろ」
落ちたチーズおかきを再び口に入れながら京助が言う
「だよな?」
坂田が頷いた
「かわらねぇのはむこうだろってんだ…馬鹿め」
ぼそっと言った坂田が二枚目のチーズおかきを口に突っ込む
「柴田さんになに言われたんかわからんけどよ;」
京助が茶を啜りながら言う
「何かあるたびに家に集合すんな;」
湯飲みを置いた京助が坂田を見た
「だって丁度いい避難場所」
坂田が返す
「自治区が別です坂田君きちんと自分の自治区の避難場所へ避難してくださいませ」
京助がエセっぽいさわやかな笑顔で言う
「あー! 坂田だー!!」
ガラっと戸が開くと同時に悠助の元気な声が響く
「よー! 悠! チーズおかき食うか?」
坂田が片手を上げて悠助に言った
「もう晩飯の時間だっちゃよ」
緊那羅がテーブルに手をついて立ち上がった
「…坂田も食べていくっちゃ?」
立ち上がった緊那羅が坂田を見下ろして聞く
「よろしく」
坂田が今度は緊那羅に向かって手を上げた