小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【第九回・伍】散歩道

INDEX|4ページ/18ページ|

次のページ前のページ
 

柴田が自分を指差して坂田に聞くと柴田の前進を見た後坂田が一言
「全然」
そう言って鼻で笑った
「傷つくナァ;」
溜息を吐いた柴田が缶コーヒーをくぃっと飲んだ
「あんまコーヒー飲んでと胃悪くするぞ。茶飲んどけ茶」
家の門の前で止まって振り返った坂田が言った
「大丈夫ですよ一週間前の牛乳飲んでも腹壊さなかったですから胃は丈夫なんですよ俺」
でかい門の横の出入り口をあけながら柴田が言う
「腹ン中でヨーグルトになったんじゃねぇのか?」
柴田が開けた戸をくぐりながら坂田が言った
「うっわー……若さっきから俺に冷たくありません?; 俺なんかしました?」
柴田が戸を閉めながら言う
「やっぱお前そっかぬけてるな…言ったじゃん俺に黙って出歩いてる先はどこかって」
「おかえりなさい若! 柴田さんも!!」
坂田の言葉が組員のドスのきいたお帰りなさいにかき消された
「ああただいま」
柴田が組員に軽く手を振って答えた
「ホラ、若ただいまは?」
柴田が坂田に言う
「俺の質問に答えろよ; …ただいま」
玄関へと続く無駄やたらに長い庭で坂田が言った
「ヤボ用って言いませんでした?」
柴田が笑いながら言った
「…お前まだ俺を子ども扱いする気だろ」
坂田が言う
「そんなところが子供ですよ若」
柴田が笑う
「それより俺の部屋でチーズおかき食べません? 茶入れますんで」
「却下ッ!!」
柴田が言うと坂田が怒鳴った

「柴田さんですか?」
組員でごった返している事務所らしき部屋の入り口で坂田が一番近くにいた組員に柴田の行方を聞いた
「おっかしぃなぁ…さっきまでそこに…」
タバコの煙でモンモンとしている事務所内をぐるり見渡した組員が頭を掻いた
「俺じゃだめですか? 若」
組員が自分を指差して言うと坂田が無言で背を向け歩き出す
「馬鹿かお前柴田さんの代わりがお前に務まるかってんだ」
他の組員が野次を飛ばした
「若も組長も柴田さん柴田さん…か」
タバコを灰皿にねじりつけながらゲジ眉の組員が呟いた
「ありゃ…若荒れるぞ」
少し貫禄のある中年位の組員が言った