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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・伍】散歩道

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「…知らん;」
そして答える
「俺たぶん生まれる前からいるんだろうけど…外見も何も全然変わってねぇ気がする;」
坂田が言う
「…そうなのか?」
京助が聞くと坂田が頷いた
「…坂田家七不思議その一…柴田さんの年齢;」
南がいう
「なんだよソレは; 七不思議ってことはまだ六つも不思議があるのか俺の家に;」
坂田が突っ込む
「探せばね~」
南がハッハと笑って言った
「ちなみに京助の家の七不思議は完成済み」
「はッ!?;」
南が京助に向かって言うと京助が声を上げた
「まぁ…京助の家はわかるよな」
坂田が頷く
「俺もそう思う」
中島がストローでココアを飲みながら頷く
「何でだよ;」
京助が聞いた
「だってお前【類】だし」
南が京助を指差して言う
「うん主体だし」
坂田も言う
「やーおめでとう」
中島が京助の肩を叩いた
「何がだ;」
京助が裏手で中島に突っ込んだ

「あれ? アレってラムちゃんちゃいますか?」
南が京助の肩をつかんで言った
「あ、本当だ緊那羅じゃん」
中島が残り少なくなったココアをジュッジュ啜りながら南と同じ方向を見た
「ラ---------------------------ムちゃ---------------------んッ!!!」
南がでっかい声を出しながらブンブンと手を振った
「あ、気づいた気づいた」
坂田が言う
「そりゃコレだけ大声で呼びゃぁ振り向くだろうよ;」
京助が言う
「買い物帰りカナァ…買い物袋下げてるトコみると」
右手に正月スーパーの買い物袋を持って少し早足で近付いてくる緊那羅をみて中島が言う
「おかえりだっちゃ」
まだ秋の終わり頃だというのにマフラーに手袋、そして少し大きめの上着を着込んだ緊那羅が3馬鹿と京助に向かってお帰りを言った
「相変わらず寒いのは苦手か;」
坂田が緊那羅の格好を見て言う
「ははは;」
緊那羅が苦笑いをする
「私が暖めてあ・げ・る」
南が緊那羅に抱きついた
「しょっぱー…;」
中島が口の端を上げて言う
「…坂田?」
緊那羅がふと坂田に声をかけた
「へ?」
坂田がきょとんとして返事をする
「なんだか…元気ないっちゃよ?」
緊那羅が言うと京助と南、中島も坂田を見た
「そんなこたぁねぇぞ?」
坂田が言った
「みつるんてば私がラムちゃんに抱きついたからやきもちやいてるのよきっと」
南が言う
「断じてソレはない」
坂田が即答した
「ホントになんともねぇのか?」
中島が坂田の額に手を当てた
「熱なんかねぇって;」
中島の手を掴んで坂田が言う
「ホントになんともねぇのか?」
今度は京助が坂田の額に自分の額をブチ当てて言った
「…今はデコが痛いよ京助君」
坂田が言う
「…俺も少し痛いです坂田君;」
「ならやるな阿呆ッ!!;」
京助が言うと坂田が京助のみぞおちに手刀を入れた
「そして更にみぞおちも痛いよ坂田君;」
京助がおぉお…というカンジで膝を付いた
「自業自得だバカめ;」
坂田が額をさすりながら言う
「何してるんだっちゃ…;」
南に抱きつかれたままの緊那羅が呆れ顔で言った
「まぁ俺は本当なんともねぇからよ; 変な心配すんなよな緊那羅」
坂田が緊那羅を見て言った
「あ…う…ん…」
緊那羅が躊躇いがちに頷いた
「つぅことで…俺帰るわ」
坂田がセブンイレブンの買い物袋を鞄と一緒に肩に担いだ
「んじゃ俺等も行きますか」
南が緊那羅から離れて言う
「だばなー!!」
「おー!!」
歩き出した坂田の後ろを南と中島が京助と緊那羅に向かって手を振りながら追いかけて行った
「さって俺等も…どうした?」
京助が足を進めても動かない緊那羅に声をかけた
「…ううん…」
顔は坂田達に向けたまま緊那羅がゆっくりと足を動かした
「…なんでもないっちゃ」
そして京助の方に向きを変えると歩き出す
「…そか?」
遠ざかっていく3馬鹿の背中をチラッと見て首をかしげた京助が自分より少し前に出た緊那羅を追いかけた