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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・伍】散歩道

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「復刻版だってさ」
学校帰りに寄ったセブンイレブンのレジの前の棚を見て南が言う
「へー…ってか…俺こんな箱ん時のポッキーなんて知らねぇよ;」
京助が並べられていたポッキーの箱を手にとって言った
「うわー!! このペコちゃん微妙に頭の毛コスケてる!!」
南がミルキーを見て言う

【解説しよう。コスケてるとは色が微妙に落ちて薄くなっているときによく使う用語である】

「ココまで昔再現してるのか…やるなセブンめ…」
中島がパックに入ったバンホーテンのココアを持ってきて言った
「パックンチョとかあったねー! 俺コレの絵を先に舐めてそれから食ってたナァ」
南が笑いながら言う
「俺はコレ…チョコタバコっての? よくくわえてこう…プハーとかやってたわけよ」
京助がタバコを持つ手真似をしながら言った
「…低レベルだナァ; お前等;」
レジで会計をしていた坂田が突っ込む
「なにぉう!! 懐かしき時代を思い返す純粋な少年に向かって何てこというんだお前様!」
南が坂田を指差して言う
「あ、チーズおかきだ」
中島が棚の下の方にあった復刻版のチーズおかきを見つけて言った
「そういや柴田さん好きだったよなコレ」
京助がチーズおかきを手にとって坂田に見せた
「…まぁな」
坂田が言う
「京助、ソレ持ってきて」
少し間を置いて坂田が京助に言った

「ありがとうございましたぁ~」
【〆きり】と書かれていない方のドアから外に出ると少しミゾレ混じりの空模様だった
「ヒョー!; 寒みぃ寒みぃ;」
中島が学生服のポケットに手を入れた
「毎年毎年思うけどよく越してるよな~…冬」
京助が言う
「だよねー…; 今で寒い言っててコレからまだ寒くなって…ソレをよく乗り越えてるよ俺等…偉いねぇ」
南が買った肉まんに頬擦りしながら言う
「そいや坂田…柴田さんどうしてる?」
京助が坂田に聞いた
「柴田? あ…あ~…まぁ…怪我も治って元気してる」
一瞬きょとんとした坂田がどもりながら答えた
「最近見ないよな柴田さん」
中島が言う
「そっか?」
坂田が言った
「前はよく散歩とかしてるの見かけたけど」
坂田の家にわりと近いところに住んでいる南が言う
「仕事とか忙しいのか」
京助が聞く
「まぁなー…そんなカンジ? 俺もあんま会わねぇし…部屋いってもいねぇし」
坂田がチラッと自分の持つ買い物袋の中に見えるチーズおかきを見た
「祭りのときに怪我してから…だなぁ…よく一人でいなくなんだよ柴田」
坂田が言う
「どこいったのか聞いても皆しらねぇっていうしよー…」
微妙に白く見える溜息を坂田が吐いた
「彼女さんでもできたのかねぇ…柴田さん」
中島が言う
「もう結構いい年なんじゃないのか? 柴田さん…いくつ?」
南が坂田に聞くと坂田が指を折りながら何かを考え始めた