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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・伍】散歩道

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「は?」
坂田がニャロメを抱いたまま自分に向けられる怪しい笑顔を見返した
「坂田さん家のみっつるくん~このごろすこぉし変よ~どおしたのっかっなッ♪」
南が歌いながら坂田に近付いた
「いや変なのは前からだっけどぉ~♪」
京助が突っ込み加減でさり気に歌う
「ニャンコにヤキモチ焼いちゃってまぁ」
「なっ!?;」
中島が核心をぶっちゃけると坂田が声を上げた
「何が!;」
坂田が怒鳴ると三人揃ってヘッとまた怪しい笑いを向ける
「緊那羅にも突っ込まれてたしな」
京助が言う
「そーそー【元気ない】ってね」
南が頷いた
「原因はソレかぁ…いやいやいや…」
中島がニャロメを撫でた
「何がだちゅーん!!;」
坂田が三人に向かって怒鳴る
「そりゃねーアレだねーお兄さんをニャンコにとられちゃえば弟さんふてくされますよねー…悠と一緒だな」
中島が言う
「そ…!!」
中島の言葉に坂田が何か突っ込もうとして少し体を前に出した
「寂しかったのねみつりゅん」
京助がよしよしと坂田を抱きしめた
「そんなんじゃねぇっつーの!!;」
「またまたぁ照れなくていいのよなんたってワタシはビックマザー」
坂田が京助を押し返すと負けじと京助がしつこく坂田に抱きついた
「離れんかーぃッ!!;」
ぐぎぎぎぎぎと腕に思いっきり力を込めた坂田が本気で京助を押し返した

「…悠がそうだったから」
京助が坂田の耳元で小さく言った
「…え…?」
「俺気づいてやれなかったんだよな」
坂田にしか聞こえなかっただろう的声量で言いながら京助が坂田から離れた
「ニャロメつぶれてないか?;」
中島が心配そうに離れた京助と坂田の間を見た
「ニー…」
坂田の腕に守られながらニャロメが鳴いた
「ホモサンドイッチで圧縮されたなんっつたらシャレにならないもんねぇ」
南がハッハと笑った
「構って欲しかった俺等がいるじゃないみつるん」
「…構って欲しくて出向いた俺に帰れと速攻言ってのけたヤツは誰じゃ」
京助が言うと坂田が突っ込んだ
「アレはホラ…晩飯の食い扶持が減るじゃん」
「友情より食い意地なんだぁねぇ君は」
京助が言うと中島がチョップと同時に京助に突っ込んだ

「にぅ~…に~」
ポフポフと床に軽く叩きつけられているネコジャラシにニャロメが必死になってじゃれている
「…うら」
坂田がネコジャラシを少し高く上げるとニャロメが思い切り体を伸ばしてソレに捕まろうとする
「はっは~コケてやんのー」
届かなくてそのままコケたニャロメを見て坂田が笑った
「…悠と一緒…ねぇ…」
今度はネコジャラシを床ぎりぎりで左右に振りながら坂田が呟いた
「…まだまだ子供ってことか…俺も…」

ガリ

「イッテェッ!!!;」
「にぅ~」
ネコジャラシに勢いよく飛びついたニャロメが坂田の指に爪を立てた
「おんまえは俺をどこまで傷物にすりゃ気がすむんだッ!;」
坂田が怒鳴った
「あ~…っとに…」
じわっと血がにじんできた指を見て坂田が溜息を吐いた
「みぅ」
動かなくなったネコジャラシには興味がないのかニャロメが坂田の膝の上に上ってきた
「イテテイテイテ; 爪たてて上ってくんなっつーの!; …ったく…」
坂田の膝の上に上ったニャロメが坂田を黙って見上げた
「…なんだよ」
「散歩いきませんか?」
坂田が目を丸くしてニャロメを見た