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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第九回・伍】散歩道

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「…なしたよソレ;」
京助が【まことにイヤイヤ驚いたでゴザル】というカンジの表情で坂田を見た
「…ニャロメにやられた」
憮然とした表情で答えた坂田の顔には数箇所絆創膏が貼ってあった
「あんにゃろ…思い切り爪立てやがって…」
絆創膏の貼られていない小さな傷を坂田が軽く掻いた
「嫌がることしたんじゃないの~?尻尾触ったとか餌喰ったとか」
南が言う
「食うかっての;」
坂田が返す
「でもよくおばさんが許したよな」
中島が言う
「…ゴリ押し」
坂田が言った
「でも名前がどうよって思うぞ俺は」
京助が言う
「ニャロメだしね」
南も言う
「付けたのは柴田だしな」
坂田が言った
「京助と対はるネーミングセンスだよな柴田さん」
中島が京助を見る
「なんだよ;」
京助が中島を見返すと中島がヘッと笑った
「カンブリにニャロメ…どっこいどっこいだねぇ」
ハッハと南が笑う
「久々に来たナァ…坂田組」
中島がデデン! とそびえて立つ大きな門を見上げて言った
「避難所って言えば京助ン家だしね~」
「各自地区の避難所に行けよ;」
南が言うと京助がすかさず言~った
「保育園に避難してもサァ…ねぇ?」
同じ自治区の坂田の肩を南が軽く叩きながら言う
「仲良くお手手繋いで野道を歩け」
でかい門の横にある出入り口をくぐりながら京助が言った
「二人で~?;」
京助の後に続きながら南が言う
「俺なんか文化センターなんですけど;何しろってんだよ;」
隣の自治区にお住まいの中島が言った
「教育委員長と教育について語ってろ」
坂田が出入り口を閉めながら言った
「メッロキュン!!」
そう言った南の腕に抱かれていたのは足が白く後は茶色がかった小さな猫
「ニー…」
「に~~~」
猫が泣き声を上げると京助と中島そして南が泣きまねをした
「…阿呆か」
ソレを見て坂田が呟く
「いやー…メンコイなコイツ」
チョイチョイと指を猫の前で動かしながら中島が言う
「チョメ~チョ~メチョメ~」
京助が近くにあったネコジャラシを動かし始めた
「チョメチョメは君の頭の中だけで充分だよ京助君」
南がハッハと笑いながら言った
「ニャロメかぁ…ニャロメ」
中島が柴田がニャロメと名付けたという猫の喉を撫でた
「ぅみゅー」
「ズキュン!!」
ニャロメが鳴くと南が胸を押えて蹲った
「か…かんわいぃじゃないか…くっそ…ミナミ完敗…」
南が言う
「コレ子猫? …おオスか」
ニャロメを抱き上げた京助がニャロメの股の間の物体を見て言った
「可愛い顔して結構なモンつけてんのな~…」
中島も覗き込んだ
「いやもう大人だとか言ってたけどな」
坂田が言った
「コレでか?」
京助が聞く
「コレでよ」
坂田がニャロメの頭を撫でた
「そういう種類の猫なのか?」
中島が聞く
「知らねぇよ; でも…柴田がそう言ってたし…コイツ祭りン時の柴田の怪我の原因なんだとさ」
坂田が京助の手からニャロメを抱き上げた
「みー…」
坂田がニャロメを軽く撫でるとニャロメが小さく鳴いた
「俺に黙ってこんなん飼ってて…これから寒みくなんのに…やっぱどっか抜けてんだアイツ」
坂田がブツブツ言うと京助と中島と南が顔を見合わせた後
「…お子ちゃまめ」
ハモって言うとにんまりと怪しい笑顔を坂田に向けた