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緑の季節【第三部】

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「真壁さん、そうなんですか?」
「はい」
「伯母ちゃんには先に話しておきたかったの」
「そう。お母さんたちにはまだ言ってないのね。ねえ真壁さん、かわいい姪のことだからお聞きするけど、奥様の方のことは大丈夫ですか」
「まだ、僕の両親にも何も話していませんし、妻の実家の方にもまだ。ただ沙耶香さんとのことは、誠意をもって」
「固いわね、真壁さんは。私がここに来られる貴方を見てきた限りでは、申し分のない方だと思いますよ。ただ沙耶香の両親には説得が要りそうね。一人娘だからずいぶん過保護に育ってるし、沙耶香中心の家族だから芯が取られちゃうとさあ大変。まあ、沙耶香が好きになったのだったら仕方ないわね。ね、沙耶香」
「うん。伯母ちゃんに話して少しほっとした」
沙耶香は覚士ににっこり微笑んだ。
ふたりは、ママの煎れたコーヒーをご馳走になった後、沙耶香を家に送った。
車の中では、沙耶香の家への道順を訊くだけにほとんど終わってしまったが、心は穏やかだった。
「じゃあ、またね」
「沙耶香」
「ん」
「近いうちに挨拶に行くよ」
沙耶香は微笑んで頷くと車を降りて行った。

作品名:緑の季節【第三部】 作家名:甜茶