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緑の季節【第三部】

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やや空気の重い部屋に 沙耶香の母親が茶の用意をして現れると、少し和んだ。
「まあお二人とも固まっていませんか。はい、どうぞ」
「あっ、すみません」
「母さんも座って」と言われ、母親も空いている場所へと落ち着いた。
「真壁さんは、お見受けしたところ沙耶香よりもずいぶん年齢が離れているようですが、おいくつですか?」
「はい・・・」
覚士は、年齢のこと、結婚の経験があること、亡き妻のこと、仕事のことなど丁寧に話した。
尋ねられる事にも正直に答えた。
「お父さん、真壁さんがどんな方でも私が好きになったの。だからお父さんもお母さんも認めて欲しいの、真壁さんとのこと」
ずっと成り行きを聞いていた沙耶香だったが、そう話に入った。
「正直なところ、4年娘を外に出していて戻って来た途端、こういう話で驚きましたよ。まああのまま、あちらで就職するかと思っていたので家に帰って来て こちらで就職してくれたのは嬉しい。君のおかげかな。かといって手放しに賛成とは今言えない気持ちは、同じ男としてわかってください。娘はやっぱり・・。男親は情けないがそういうものらしいので」
「はい。今日お話をさせていただけてありがとうございます。沙耶香さんとの事は僕の両親にも早く報告したいと思っています」
覚士は、沙耶香とふたりで会うことはせず、挨拶を終えると、家路についた。

作品名:緑の季節【第三部】 作家名:甜茶