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novelistID. 29058
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盗んだ顔

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両親は、あんなにいい子が殺されたことが悔しいと、泣きながら語っていた。そのあと、現地のレンタカー業者の男が画面に映し出され、盗まれた車だけは戻って来たが、まさか盗んだ日本人が殺されていたとは思わなかったと、首を傾げていた。
 その数日後、建築設計事務所経営の小松武が逮捕された、というニュースが流れた。小松武は失踪した須藤隆一に一千万円を貸していた。彼はそれを返済するよう、再三須藤の親に迫っていたらしい。須藤隆一が失踪した当時の小松武のアリバイが、証明されないという話だった。
 間もなく須藤は由奈に電話した。
「そうよ!武が逮捕されたのよ!でも、須藤さんを殺したのは彼じゃないわ。だって、あのときわたしと一緒に、沖縄の方の無人島で二週間近くも、スキューバダイビングしながら過ごしていたんだもの」
「どうして彼と?」
「あなたがわたしに別れの手紙を寄越して、すぐに行方不明になったじゃない。あのとき、彼は必死でわたしを元気づけてくれたのよ」
「俺が別れの手紙を出したって?!それはおかしい。俺がそんなもの書く筈がない。それは嘘の手紙だ。小松だ。小松が書いて出した、嘘の手紙だ」
作品名:盗んだ顔 作家名:マナーモード