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novelistID. 29058
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盗んだ顔

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 確かにそれは虚偽の手紙だった。由奈に宛ててそれを出したのは、実は須藤だった。風見がその手紙を由奈に送ってから失踪するという、虚偽のシナリオを完成させるためだった。そのプランには、小松も関与していた。小松も由奈に惹かれていたということに、須藤はなぜ気付かなかったのだろうか。
 須藤の帰国が遅くなったのは、超人気のハリウッドの天才美容整形外科医が、余りにも多忙だったからだった。もっと早く帰国していれば、小松に由奈を横取りされなくて済んだのだと、須藤はこの一箇月余り後悔していたのだが。

                  *

 その数日後、須藤隆一が殺人死体遺棄容疑で逮捕されたのは、小松武が自らの潔白を証明しようとしたからだった。だが、小松は事件の全容を明らかにする過程に於いて、須藤に資金と武器の供与をしたことを匿すことができなかった。そのため、殺人幇助容疑で、彼も書類送検されることになった。
 風見彩芽の遺体は、暫く経ってから北の海で発見された。水温が非常に低い場所に沈んでいたせいか、それは妖精を思わせる美しさを保っていたという。



                   了





 















作品名:盗んだ顔 作家名:マナーモード