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郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
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みどり色のかぼちゃランプ

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 その夜、ジミーはそのことを泣きながらナオミに話しました。
 するとナオミも泣きながらジミーを抱きしめたのです。
「ごめんねジミー、でもここで一回だけ見栄を張り通してもダメだと思ったの。手伝ってあげればよかったのだけどそれじゃダメだと思ったのよ」ジャックが生きていれば……。ナオミはジミーを抱きしめながら呟いたのでした。

 その夜のことです。
 ジミーの町の子供達は不思議な夢を見たのでした。

 なぜかハロウィン当日の夕暮れ時。皆は思い思いのハロウィンの仮装をして墓地に集まってます。そこにはドラキュラの立派な衣装をつけたトビーや、狼男や魔女、それにオバケの衣装をつけたジミーも居ました。
 そして皆ざわざわと落ち着かない様子なのです。
「なんでボクたち墓地に居るの? いつもお母さんは子供達だけで墓地ヘ行ってはいけません、って言われてるのに」下級生の小さい男の子が言うと「お家へ帰して」と女の子が泣き始めます。
 ドラキュラのトビーも口だけは大丈夫そうにしていましたが、足はガタガタと震えているのでした。
 もちろんジミーも怖くてたまりません。
 十月の夕暮れは直ぐに暗くなってきます。そしてどこからとも無くとても意地悪そうな声が聞こえて来たのです。
「トリック・オア・トリート! フフフ、何かくれないとイタズラしちゃうぞ!」始めは暗くて小さくて分からなかったのですが、近付いてくると小鬼や妖精が尖った針や小さな刃物を持っているのだと分かったのでした。
「トリック・オア・トリート! プリック・オア・ミストリート? 何かくれないとイタズラしちゃうぞ! チクチクするか苛めるか、さあどっち?」小さい魔物達が一斉に子供達に襲い掛かりました。
「トリック・オア・トリート!」と言われても、子供達だって何も持っていないのです。
「プリック・オア・ミストリート?」チクチクされるのも苛められるのも選びたくはありません。