小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
郷田三郎(G3)
郷田三郎(G3)
novelistID. 29622
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

みどり色のかぼちゃランプ

INDEX|3ページ/6ページ|

次のページ前のページ
 

 次の日、トビーに一日待ってもらう約束をして、家に帰ると、ジミーは食卓の上に置いてある、深いミドリ色(というより黒に近い色でした)のかぼちゃを見つけました。
 それはあまり大きくなかったけど、ちゃんと中身はくり抜いてあって、中身は鮮やかなオレンジ色でした。
 これなら皮を剥いてやればオレンジ色のかぼちゃになるはずです。
 ジミーはがぜんやる気を出しました。
 台所からナイフを持って来ると、先ずはジャック・オ・ランタンの顔を彫り始めます。
 小さい頃にお父さんがやっていたように、ナイフの先でかぼちゃの顔を描くのですが、お父さんはあんなに簡単そうにやっていたのに、ジミーには上手くできませんでした。
 お母さんが仕事から帰っても、夕食を食べた後にもなかなか思うように進みません。
 ようやく目と口を彫った頃には、とっくに寝る時間を過ぎていたのでした。
「ジミー残念だけどもう寝なさい」ナオミはオバケの衣装を作っているので、かぼちゃランプの方は手伝ってくれませんでした。
 そしてジミーは泣く泣くベッドに向うのでした。

 次の日、ジミーはなんとかトビーを振り切って帰ろうとしましたが、意地悪なトビーがそう簡単に逃がしてくれるはずが有りません。
 ニヤニヤしながらゾロゾロとジミーの家の前までやって来たのでした。もちろん、マイケルやウィルも一緒です。
 そして窓辺に置いた深いみどり色のジャック・オ・ランタンを見つけたのです。
 お母さんが何とかしておいてくれるんじゃないかと、淡い期待をしていたジミーは落胆を隠せませんでした。
「ヤーイ、ジミーのジャックはみどりかぼちゃだ!」トビーが嬉しそうにはやし立てます。
「ジミーのジャックはみどりかぼちゃ!」トビーの子分も大合唱です。
「うるさぁい!」ジミーは怒ってトビーに掴み掛かりましたが身体の大きいトビーには敵いません。
 簡単に突き飛ばされて転んでしまいました。そして尚もバカにされたのです。
「ジミーのジャックはみどりかぼちゃ!」
「ジミーのジャックはみどりかぼちゃ!」
 ジミーは泣いて家に帰ったのでした。