みどり色のかぼちゃランプ
次の日、ジミーが学校に行くとお金持ちで意地悪なトビーが笑いながら近付いてきました。
「おいジミー、おまえん家は貧乏だからハロウィンも祝えないんだろう」と言うと、後ろにぞろぞろついてきたトビーの子分達もそうだそうだと笑いました。
トビーのお父さんは大きな工場を持っていて、子分達は親や兄さんがトビー家の工場で働いているのです。
ジミーのお母さんが働いているレストランもトビー家の親戚が経営しているのだと、以前聞いたことがありました。
「違うよ! 確かに去年はやらなかったけど、今年は絶対にやるってママが言ってたもん」
ジミーは思わず嘘をついてしまいました。
帰り道、友達のマイケルが心配して聞きました。
「どうすんのさジミー」
「どうすんの?」ウィルも心配そうです。
「うん、どうするって言われても……。お母さんに頼むしかないよ」ジミーがしょんぼりして言いました。
「だって、明日の帰りにトビー達が見に来るって言ってたじゃない」
「ちゃんと出来てないとまた学校で言われちゃうよ」
三人は小さい頃からとても仲の良い友達でした。
「うん、今晩もう一回頼んでみるよ」
じゃあね、と言って三人は別れました。
「ねえママお願いだよ。大ピンチなんだよ」
その夜、家に帰るとジミーはナオミにもう一度思い直すように頼んでみたのでした。
「しかたの無い子ね。でも、オレンジ色のかぼちゃなんて買えないわよ。少し早いけど感謝祭にはかぼちゃパイを作ろうと思ってたから、普通のかぼちゃの中身をくり抜いておいてあげる」ナオミは少し考えて「上手に顔を彫って、皮を剥けばオレンジ色になるわ。トビーには明後日にしてもらいなさい」
作品名:みどり色のかぼちゃランプ 作家名:郷田三郎(G3)